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ろうけつと格闘

帯に模様を描くことは、以前からの夢でした。
ぺんてるそめーるはクレヨンタイプで
描いたあとアイロンをかけると、良い感じになりますが、
なんせ、クレヨンなので、輪郭がぼんやりして
細かい絵が描けません。

ぺんてるそめーるの絵の具版が出てきたので、
長年迷って買いました。
これは絵の具なので、絵はうまく描けます。
アイロンも要らないと言うことだったのですが、
これは結局アクリル絵の具なので、
乾いたあと、ごわごわになって、ペンキを塗ったようになります。

なんとかして、友禅のような絵の具がないかと思ったのですが、
今ひとつ手頃なのがありません。
いっそ文化センターなどで名古屋友禅で習おうかかと思ったのですが、
そんな本格的なことはしたくない←あまのじゃく
あくまで素人のお遊びでありたい。

友禅染のように染料で絵を描こうと思えば、
にじみを防ぐため、糊とかロウとかで防染して絵を描くのです。
そのことを知ってから、ろうけつ染めに挑戦しようと思い始めました。

さて、桜染めの過程で帽子絞りで白丸を作ったので、
次はそれを利用し、ろうけつ染めで大きな桜を描こうと考えました。

ろうそくとツナの空き缶と網とぼろい筆と新聞紙を用意して、
ろうけつと格闘_c0021551_22203942.jpg

ろうそくが溶けてちょっと煮え立ちそうになったので、火を止め、
チャコの下書きのところを筆に付けたロウで描き始めました。
さっと描くとさっとロウが布にしみこみロウ紙のようになります。
あれ、こんなになったら、あとからロウが取れないではないか!
イイのだろうかこんなにしみ込んじゃって・・・・・突如不安
描いているうちにロウが冷めて、しみ込まなくなると、白くなります。
筆のロウも固まりはじめるとまた火に掛けてとかします。
そんな風でとりあえず、下書きの所は描きました。

次はダイロンを少し熱湯にとかして、塩を入れます。
よくとかして、ろうで描いた布に塗り始めました。
ろうけつと格闘_c0021551_22272224.jpg

ふむふむと調子よく進んでいきます。
さあ全部塗った、と思ったら、あら!
ろうけつと格闘_c0021551_2228309.jpg

あらら、ロウの塗りが甘いところからにじみ出してきたじゃぁありませんか!
やはりロウがしみ込んでいないところは防染が不完全だったのです。

もうじたばたしてもしょうがないので、
ここでお出かけします。JR高島屋の昔着物バザールで約束があります。
着物を着て出ると今日は良い日、
お約束の友人と買い物をして別れたあと、また別の友人と出会うなんて♪
もう一度買い物を楽しんだあと、御昼をご一緒して
本山の蝉丸さん、千種の侘助さんまで覗いてしまいました。
ついでに紅会(日本刺繍)の絵はがきまで手に入れました。
4月20~23日電気文化会館(入場無料)だそうです。

さて、家に帰ると、ろうけつは乾いています。
ロウをはがすとしみ込んでいないところはぽろぽろと取れますが
ほとんどはしっかり張り付いています。

ちょっとネットでロウの取り方を検索しますと、
ジャワ更紗は熱湯で煮て取るのだそうです。
別の方法はアイロンでロウを蒸発させると書いてあります。

とりあえず、ざっとロウを取ったあと、
染料を洗うことにしました。
ところがこれが大変でした。注意したのですが
案の定赤い色が白いところに跳ねてしっかり点々がついてしまいました。
はねたところはもう取れません・・・・あ~あ、
細心の注意を払ったつもりなのに。
しかし湯で洗ううちに少しロウが取れてきたようです。

そこで大鍋で湯を沸かして煮ることにしました。
ふと不安がよぎります。溶けたロウはどこへ?
でも、とりあえず、試さなくては・・・・
熱湯に入れるとロウが油のように湯に浮き色も少し出ます。
ひょっとしてまずいかも・・・で即中止。

湯を流すと、ほうろう鍋の内側にはロウが付いています。
これって取れるのだろうか。煮るたびにロウが浮く?
当分食べ物には使えない・・・・とうとう染め物専用鍋に転落か?
気を取り直して、伸子をさして乾かします。

乾くあいだジャスコへ行って“風に吹かれて豆腐屋ジョニー”を買います。

帰ってから、半乾きの布に新聞紙とペーパータオルを乗せて
アイロンを掛けます。
思ったほどロウは紙については来ません。
染みているところはそのままです。
ろうけつと格闘_c0021551_22531457.jpg

ここで私の忍耐もおしまい。これは帯以外の物にしよう。
最高にきれいな桜染めの色だったのに・・・

これで、色々のことがわかりました。
ジャワ更紗のあのロウのような感じは
ことによるとロウがまだ残っているのかも知れないとか。
チャコは下書きにはまずいとか。やはり私は絵が下手とか・・・
ろうけつは扱いにくいとか。
でも、ロウの取り方はわからないまま・・・
by yamamotoyk | 2006-04-14 23:06 | 和装製作 | Comments(18)
Commented by とんぼ at 2006-04-15 01:02 x
ろうけつ染めをやったのはだいぶ昔なのですが・・。
ろうで描くときは「二度描き」というのがテクニックのひとつ、、
つまり一度描いた上からもう一度描く、蝋が熱いと、
先に載せたろうもまたとけて、これでろうのしみこみが
よくなる・・とききました。ヒビをいれてを染めるのが「ろうけつ」ですから
厚めにろうを置いて、ヒビをいれるわけですね。
それと、厚みがあると、取るときもポロポロ取れやすいんですよ。
できるだけ手で取って取って取りまくって?!最後は
新聞紙を当てて、ひたすら「紙」にろうを吸わせるんです。
ろうを「蒸気」にしてしまうんですね。
ただし、これって木綿ののれんとかそういうもので、やったことです。
着物や帯のろうけつは、どうやってるんですかねぇ・・。
なんだ、何の役にも立ってませんがな・・すみません。
Commented by 長岡 at 2006-04-15 08:38 x
うまこさんの一日って、いったい何時間あるのでしょう・・・


昨日はありがとうございました
おかげさまで大変実りのある(笑)一日になりましたが、
私なんぞは、帰宅してからはもう家事で精一杯で、
何もできやしません
あ、でも昨日は頑張ってBLOGUPしましたので、またお時間あるときに
読んでやってください

ろうけつ、調べたんですね
とんぼさんからも情報がいただけてよかったですね
ろうけつ染めに限らず、なんでもそうですが
ただ見ているだけでは気づかないけど、考え始めたら不思議なことって
いっぱいあるものですね
Commented by yamamotoyk at 2006-04-15 08:54
はい、とんぼさんありがとうございます。
手で取れるだけ取って、湯で洗うとさらに取れたのですが、
やはりしみこんでいる物は取れず。
アイロンでも紙には少ししか移らず。
おそらくアイロンの温度が絹設定だからかも。
木綿温度にするのが怖くて出来ませんでした。
だめもとでやってみようかしら?
でも、怖いしな。
ロウの種類に問題があったか?
もっと調べる必要があるのか?
Commented by yamamotoyk at 2006-04-15 09:06
長岡さん、昨日はどうもありがとうございました。
すご~く久しぶりに蝉丸さんへ行けたり、
侘助さんを覗いたり、Yさんともお近づきになれて
長岡さんのおかげです。
私のとってもものすごく充実した一日でした。
(さすがに着物屋さんまでは行けなかったけど・・・)
ろくに調べもせず、ものを始める私に
はがゆいとお思いでしょう?
でも、試行錯誤の失敗も遊びのうちなんですよ。
遊びはあくまで遊び。仕事にはしたくないんですよ。
Commented by まりも at 2006-04-15 11:55 x
 どうやってこの立派な友禅ができたのか、ということを呉服屋さんに (聞きたいと思ってないのに) 店頭で教えられたことがあります。
とてもたいへんなことだった、です。プロですものね。

<本格的なことはしたくない←あまのじゃく
あくまでもしろうとのお遊びでありたい。>・・・・ですね!

意外な発見があったり、どきどきしたり。うまさんには忘れていた何かを教えられます。画像でどんな風に表したかったのかがよくわかります。図案、かわいいです。絵、ステキですよ。また見たいです。
Commented by ぶり at 2006-04-15 17:42 x
ひょっとして、和ろうそくの材料であるハゼの実とか、蜜蝋と、フツーのろうそくの材料であるパラフィンとで、布地からの取り除き方が違うのではないでしょうか。 パラフィンだったら、有機溶剤で溶かすことができるかも。。。
友禅の技法のように、この桜の外側を、雪輪の図柄で囲んで、色をさすと、帯になるのじゃないか、なーんて、外野の勝手なコメントですが。。。
Commented by 佐藤 at 2006-04-16 14:01 x
はじめまして!こんにちは!手作り好きになりたい…着物大好き主婦です!ずいぶん前からサイトとブログにお邪魔していましたがなかなか話し掛けるタイミングがわからずにいましたm(__)m
私も染めたりしたいし書きたいと思うのですが全く仕方がわからないでいました。こんなに大変なものなのかとちょっと感心してしまいました。
Commented by yamamotoyk at 2006-04-16 17:57
まりもさんありがとうございます。
今回のことは、帯が欲しいと言うより、
ほとんど冒険旅行という感じです。
人の言うことは聞きたくない。
自分で思うようにやってみるんだ、って感じです。
ま、私流の遊び方ですね。
私のやっていることで、何かインスピレーションが湧けば、
幸いです。
Commented by yamamotoyk at 2006-04-16 18:01
ぶりさんはさすが物理やさん、有機溶媒ですね。
他のお遊び(笑)が一段落したら、やってみます。
と言ってもベンジンが手元にないので
アルコールとネールリムーバーかな・・・とか。
Commented by yamamotoyk at 2006-04-16 18:09
佐藤さん初めまして。
絵を描くだけなら、大して難しくはないですよ。
ぺんてるそめーるかアクリル絵の具でささっと描けます。
草木染めもそれほど大変ではないし、
染めるだけならダイロンなどを使えば、確実にできます。
説明書無しで冒険ごっこをやっているから
色々失敗して面白いのです。
HPにはさんざん失敗して、やっと完成させた方法が
いろいろ載せてあるのです。
なので、何かなさりたければ、完成された方法を参考にしてください。
完成した方法の裏にはこういう珍事があったのね、
と感心して頂ければ、嬉しいです。
Commented by ぶり at 2006-04-16 19:08 x
むふふ♪ うまこ様だって、専門家(^^)
手っ取り早いところで、コインランドリーのドライクリーニング、どーでしょ。
マニキュア・リムーバーで、化繊をダメにしたことがあります。 上から、アイロンで貼り付けるアップリケで、ごまかしましたが。。。(><)
Commented by yamamotoyk at 2006-04-16 21:09
コインランドリーねえ、なるほど。
アルコール(多分取れない)、リムーバーは端っこでためして、
ダメならベンジンの小さいのを買うか。
で、ダメなら、ウールと一緒にコインドライへ放り込むか。

実は翌日、綿温度アイロンでためして、やはり取れず。
なんで、綿は出来るのに絹はダメなの?
パラフィン使ったのが間違いの元?

とにかく、ロウが取れなくては
墨で花びらが描けないのですよ。(描く気がしないし、はじくかも)
(↑まだやる気?)
Commented by まりも at 2006-04-16 22:31 x
これはこれとして、封印してまた新たにはじめよう!!ってのはダメ?
誰かここで教えてくれるかも知れないし、何かで調べたり研究してからまたやる・・・。
Commented by まりも at 2006-04-16 22:37 x
まちがって文切れました。・・・またいつかやる、というのはよくないですか。自分の性格だと、もう苦し~!
(うまこさんを、逆なでか。今逆鱗にふれたかも)
Commented by yamamotoyk at 2006-04-16 22:45
いえいえ、まりもさん。
止めるつもりだったのですが、
ぶりさんの有機溶剤というのが何とも魔力的(悪魔的)?
なので、もうすこし前に進みます。
いずれにせよ、絹のろうけつは今回で当分止めです。
ろうけつのまねごとはできたので、いいとしましょう。

とりあえず、桜染めの帯地は無傷なので
実用的な物で絵を描き、それを帯にします。
Commented by yamamotoyk at 2006-04-16 22:53
おや、まりもさん、文の途中だったのですね。m(_ _)m
これは1mほどの端切れなので、
上手くいけば、お太鼓にはめ込めばいいし、
ダメでもそれほど困らないんですよ。
いやになったら、その辺にしまっておけば
いつかまた・・・それでいいんですよ。
遊びでそんなに苦しまないでください。
苦しい時は止めていいんですよ。
あくまで面白がって・・・という範囲でね。
Commented by asami at 2006-06-11 00:31 x
いつも楽しく拝見しております。
ところでこちらで紹介されている、
名古屋市千種区の「侘助」という着物屋さんに行ったのですが、
店員さんに、「あなたのような若い人が買うような着物はない。
もっと暇な時に来たら見せてあげる」と言われ大変悲しい思いをしました。
アンティーク着物屋さんでは、こういったことが日常茶飯事なのでしょうか?
本山の「蝉丸」さんではとても親切にアドバイスしていただいたのに、
あまりのギャップに驚き、悲しかったです。
以上、感想まで。
Commented by yamamotoyk at 2006-06-11 12:20
asamiさん、それはいやな思いをされて残念でしたね。
そのお店の方、たしかにちょっとそんな雰囲気でしたね。
骨董と着物を扱っているお店によっては、
かなりの金持ちを相手にしている場合があるので、
お店によっては、そのような対応になるところもあるかもしれませんね。
決して日常茶飯事ではありませんが、
ほかでも、ちょっとそんな雰囲気のお店に入ったことがあります。
確かに、おいてある着物は芸術品で、なかなかのお値段でした。
侘助さんでも、アンティーク着物専用に作らせたという
うそつきの値段を見ると一桁違うので、なるほどと思いました。
おそらく奥の引き出しには相当のものが入っているな、
と思いましたが、買う気がなかったので
にっこり笑って(買えるけどその気がないだけという表情で)失礼しました。
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