深読み・吾妻八景Ⅱ

吾妻八景の謎、勝手に深読みを続けます。

さて、 前回は、吾妻八景の最初の部分を、
うまこ勝手流解釈で読み解きました。
今回は先を続けます。

さて、短い間奏のあと、軽快に唄が始まります。

『めも~とぉ、うつくしぃ、ごしょざくら~
ごぉてーん~、やまなすぅ、ひとぉむれぇぇ~のぉぉ、
かをりに、えひしぃ、そののちょおぉ。
はなの、かざしを、かーいまみに
あおすのをぉぶぅね、うとぉお、こうた~の、
こえぇ~たかぁなわにぃ~♪』
ここで、最初の長い間奏(佃の合い方)に入ります。

まず前回の美しい着物の柄とも思える富士山の描写に続いて、
いきなり『目元美し御所桜』ですよ。
そりゃ御所桜という花の大きな桜の花が美しいと言うことですが、
わざわざ目元が美しいと描写するのはきっと美人を暗示しているんですよね。

『御殿山なす人群れの』
というのは品川のあたりで将軍の御殿があって御殿山といったらしいのですが、
そこに山なす人の群れ、と掛詞で花見客が大勢来ているのでしょう。
『香りに酔いし(えいしと読みます)園の蝶』
花見酒に酔ってひらひらしている蝶に例えたのでしょうけれど、
どうも色香に迷って、ひらひら、ふらふら、漂っている様子ですね。
誰が?誰でしょうね。
『花のかざしを垣間見に』
花のかんざしを挿した姿を垣間見る、のぞき見ると注釈がありますが
ちらっと見てしまったんですね美人を、きっと・・・
『青簾の小舟、歌う小唄の声高輪に』
垣間見られた小舟の主は簾(すだれ)をかけたと注釈があります。
やっぱね、あら、誰か見ているわ・・・と簾で隠れますよ、
意識しましたね、気を引きますね。
小舟からは小唄を唄う声が高く(大きく)響いています。
もちろん高輪と掛詞ですね。
御殿山、品川、高輪は皆同じ地区ですよね。
(東京のことはよく知らないうまこですが)

さて、とうとう着物の主と出会ってしまいましたね。
続く間奏は佃の相方といわれますが
佃というのは佃煮の佃、元は地名ですね。
長唄では佃は水辺の雰囲気を表す特有のフレーズです。
これが繰り返され広がっていき
にぎやかな水遊びの雰囲気を表現していますが、
終わりの方で音の調子が変わり不安な雰囲気の曲になっていきます。
きっと主人公の心の揺れ、不安な恋の気分を表現していますね。

さぁ、深読みは次回に続きます。乞うご期待。
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by yamamotoyk | 2008-03-27 23:30 | 三味線 | Comments(2)
Commented by おかぴ at 2008-03-30 11:18 x
聞いたことないのに、うまこさんの話しのリズムで
Ⅰの着物の下から上に目線があがってそのまま
お顔に行くという
情景がうかびます。

版画で見たりする日本橋は、かなり傾斜がきつくて
鎌倉の鶴岡八幡前の橋なんかで今の靴で難儀する自分は
昔の人は草履やげたでよくのぼれたな
と思っていましたが、
傾斜がきついと足もとに目がいくんだよな、と
考えながら読みました。
(Ⅲはとっておいてしばらくして読みます。)
Commented by yamamotoyk at 2008-03-30 22:06
はい、おかぴさん、ありがとうございます。
鶴岡八幡様の前の橋ってお太鼓橋ですか。
あれは大変ですよね。
でも、版画の中の日本橋もあんなに急だったのでしょうか?
私にはわかりませんが、
ずいぶん長い橋のようなので
勾配が急だと本当に大変ですね。
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