勝手に深読み吾妻八景

やっと時間が少しできたので(要するに今日は写真がないってこと)
吾妻八景続けます。

さて、前回は『みちのいしぶみ、つゆふみわけて、
ふくむやたてのすみぃぃぃ、いぃぃ、いぃぃいぃ~・・・だがわ』でした。
みちのいしぶみは道の碑とふりがなが振ってあるので
何か道標のあるところを行ったのかとも思ったのですが、
これは単に石を踏んで露も踏み分けて・・・・行ったのかと・・・
でも、矢立の筆に墨を含ませただけで、隅田川につなげてしまったので
文を書いたのか書かなかったのか・・・・

そんなことをしているうちにはや季節は秋です。
『めにぃ~つぅくぅ~あきぃのななぁくさぁにぃ~、
ひょうしかよわす、かみぎぬたぁ~』
秋の草が目につくような季節になりました。
拍子通わす紙砧、
紙砧は紙を柔らかくするために大きな木槌のようなもので叩くものですが
昔から秋の風物詩のようです。
一つには農繁期が終わって秋の長夜の仕事ということかもしれませんし、
中国の詩に、出征した夫の冬服を作って戦地に送るため
布を砧で打つ。夫を思い、白髪が増える。というのがあるそうなので
そのような詩をふまえているのかもしれませんが
砧の音は寂しい女性の怨念きを表現したり、
他の規則的な音と拍子を取りつつ何かを表現していることが多いそうです。
たとえば長唄小鍛治では刀を打つ音と砧の音が交錯します。

さて、このあと砧の相方(間奏曲)に入ります。
とんとんとん、とか、とんてんかん、とんてんかん、とん、とん、
などといった具合にいかにも砧を打つ感じの曲になっています。
最後の方で三下がりに調弦が変わり、次の曲の雰囲気に変わります。
短い前奏部分に続いて唄に入ります。

『しの~ぶ、もぉじぃずり、みだぁるるぅ、かりぃの、たまずぅさぁにぃ』
しのぶもじずり・・・はもちろん百人一首の
「みちのくの しのぶもじずり 誰ゆえに 乱れそめにし 我ならなくに」
を思い出しますよね。
乱れているわけですよ、主人公の心も。
で、雁の玉章というのは要するに手紙のことだそうです。
雁は手紙の運び手なんですね。

『たよぉりぃを~きかん~ふうじめを、きりのわたしにぃさおさすぅふね~も、
いつ、こえ~たやらぁ、えもんざかっ!』
返事が来たようですね!手紙の封を切り、とキリの渡しとかけてますね。
キリの渡しとはピンからキリのキリ、つまり最後の渡し船のことと
注釈があります。でも、ひょっとしたら霧もかかっているのではと聞こえます。
なぜならいつ衣紋坂を超えたかもわからないほどですから。
もちろん気もそぞろなのでいつ越えたか気づかないのですが。
衣紋坂というのは吉原の入り口の所なので
渡し船で吉原に行ったと言うことですね。

『みせすががきにひきよせ~られぇてぇぇ、(ほ~、ん、うっふんと短間奏)
ついいつづけぇのあさのゆきっ。つも~りぃつもりぃてぇ
なさぁけぇの~ぉ、ふかぁみぃ』
みせすががきと言うのは吉原で遊女が見世に出るときに弾く曲
と注釈があります。特に夜の見世で弾いていたようです。
いずれにせよ最後の船で来たのですから当然夜ですよね。
で、そのまま居続けて・・・朝になって、雪が積もってます。
つまりもう冬なんですね。つもったのは雪だけでなく、
情けもつもって、深みにはまっていきますよ・・・・

『こいぃぃのぉせきしょも、しのぶがおか~の、はちすにぃよれ~る、いとたけの』
恋の関所も忍が岡。恋の関所を忍ぶ、と忍が岡の掛詞ですが
その向こうには不忍池があって、浮島には弁財天がまつってありますから、
蓮があり、音楽があって、当然ですね。
糸竹というのは管弦のことですがこの順序なら弦管ですね。

さて、吉原から超えて忍岡へ行ってかくれちゃった?
忍岡の蓮、って、弁天様のこと?
よれる、って寄ってっちゃった、いとたけ、とっても猛々しい、つまり自分?
と聞こえるんですけど、さりげなくさらっと次へ
『しらべゆかしき、うき~しま~の~、
かたなすもとにこもりせば~』
浮島の湖となるところ、と注釈がありますが
浮島って、ちょっと浮いた話という雰囲気で、
潟なすもとに籠もっちゃって・・・・

と、ここで楽の合方になります。
楽(がく)というといつも雅楽的な独特の雰囲気の和音で構成されます。
上野寛永寺の奏楽が聞こえる雰囲気ということのようです。

恋の成就を吉原の様子でごまかしちゃいましたね。
この時代、恋を成就させることには色々差し障りのある人が多いからでしょうね。
では、次回へ。
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by yamamotoyk | 2008-04-20 00:02 | 三味線 | Comments(5)
Commented by おかぴ at 2008-04-24 21:59 x
「いつ、こえ〜たやらぁ、えもんざかっ!」
とうとう越えましたか。
私も越えたい無事に(現在進行中。思い違いでなければ)。

昨日、ブログで拝見した古布わらじをつくりました。
編みが柔らかくなったので雨ぞうりと室内履きの合体のような感じにしました。はいてみてわかる、これはきもちいいですねえ。
Commented by yamamotoyk at 2008-04-25 10:30
おかぴさん、頑張って超えてください♡
この唄は本当にどんどん深読みしたくなります。
超えたの?どこを?私思うにね・・・
と、実はもっと書きたいのですが
どんどん長くなるので割愛しているんです・・・

わらじの履き心地本当に気持ちいいですね。
・・・雨ぞうりと室内履きの合体?と思いつつも・・
材料ばかりたまってきて(息子達の古Tシャツが・・・)
作らねばと思いつつ・・・はかどりませんが・・・・・
Commented by おかぴ at 2008-04-26 13:16 x
雨ぞうりと室内履きの合体とは、
6センチ巾くらいの細帯状の編み地があった(元々はエプロンのひも用)のでこれを2つに切って端をとめ、
各々を平らにしたまま真ん中で折り、隣り合った辺同志をはぎあわせて、先が笹舟・ちまき・きんかくし(和風トイレの。すみません)のように三角に折れたスリッパ様のものをつくりました。

そのきんかくしの部分の中に鼻緒の中心が入る感じにし、かつかかとの部分を(編んだ室内履きによくあるように)直角にはぎあわせました。底が柔らかいので・・・。
(ブログは紙芝居のように説明できてほんとにいいですね〜)
Commented by yamamotoyk at 2008-04-26 14:49
はい、おかぴさん説明ありがとうございました。
何となくわかったような気がしますが
正しくイメージできたかちょっと自信がありません。
たしかにblog記事は写真付きの紙芝居なので
とても説明が楽でしかもわかりやすいですね。
私の場合は特に具体的な物の記事が多いのでありがたいです。
Commented at 2008-04-27 13:31 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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